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水、環境への影響 西岸の自然資源は、占領により大きな被害をうけつづけている。組織的な木々の伐採、家屋破壊、水の供給源の没収と破壊は圧倒的なものである。『壁』の建設は、これらの問題をさらに強め、即座に長期的な破壊を引き起こし、パレスチナの環境や自然資源を低下させることになる。 『壁』周辺での水の供給への影響は非常に深刻な問題だ。『壁』周辺の地域では、多くの井戸が失われることになるだろう。パレスチナ水文学グループ(PHG)は、カルキリヤとトルカレム周辺の村々で『壁』建設の第一段階で失われることになる30の井戸を挙げた。これらの30の井戸はトータルで、年間4MCM(Million Cubic Meter : 百万立方メートル)の産出量である。これらの地下水の井戸は、西部地下水脈上に位置しており、1967年以前に掘られたものである。結果として、パレスチナ人は西部地下水脈からの彼らの取得分のうちの18%近くを失うことになるだろう。表1は、『壁』の第一段階で失われることになる30の井戸である。 西部地下水脈の毎年の最補給量は、362MCMである。この再補給量の95%以上が、西岸の山々において行われ、パレスチナ人は1967年以来この水脈上に新たな井戸を掘ることを許されていない。年間22MCMほどになるパレスチナ人の地下水の全採水量は、1967年の占領以前に掘られた井戸からのものである。 この地下水の採水量は、ほぼ西岸に由来している年間再補給能力の、たった6%に過ぎない。この不均衡な分配は、1967年の占領以来イスラエル当局によって維持されている。このような不均衡な分配は、西岸の発展の大きな障害になっている。現在、西岸に住んでいる人々は、1967年当時に住んでいた人々に対してと同量の分配をうけている。これは、パレスチナ人の人口増加も、追加的な発展による必要性も、過去35年の占領の期間に生まれた人々に対する社会、衛生上の要求の増加も存在しないということを意味している。ジュネーヴ協定によれば、占領下の人々に必要なものを与える責任は占領軍にある。イスラエルはこの義務を果たしてはいない。パレスチナでの人口増加と水の需要がつづく限り、過去と現在の占領下のパレスチナ人の需要に見合うように水の供給量を増加させなければならない。 木々の伐採も環境への問題である。以前述べたように、『壁』の第一段階において160000〜180000ドナムの土地が『壁』のイスラエル側に置かれた。『壁』の建設は、何万本もの木々を引き抜き、削り取るだろう。木は、地域の環境・生態系のバランスを保つのに大きな役割を果たす。様々な種類の木々(オリーヴの木が最も目立つものであるが)は、パレスチナの風景、文化、財産の根本となるものである。木々の果たす役割は以下のようにまとめられる。
『壁』の環境への影響の査定は行われていないが、木々の伐採は、全体として環境に影響を与えるだろう。さらに、『壁』それ自体が陸上の生態系の物理的な障壁になっている。 建設の予定地域(『壁』の地区と、両側の関連地域)は、非常に広大である。建設第一段階で、『壁』の直接的な結果として失われた地域は、11500ドナム になる。提出されている『壁』全体の予定地域では、35000ドナムになる。このような巨大な建物の建設し、広大な地域をかき乱すことは、地域の自然環境に重大な影響を与えるだろう。 『壁』建設の、関連した環境への影響は、水文学システムと地域の植物相・動物相の双方へ広範なものになるだろう。動物は、建設によって出る騒音に反応する。動物が行動パターンを変えたり、心拍数やストレスホルモンが増加することになるだろう。聴覚を使った信号によってコミュニケーションをとっている鳥や他の動物は、建設の騒音の影響を受ける可能性がある。騒音への反応として、異常な行動を示す動物も出る。建設は直接的に動・植物を殺し、栄養の少ない下層土をさらし、土壌の保水力を弱め、表面にある物質を固めてしまうことによって、生物の長期的な生産性を制限してしまう。 建設活動は、水の量と質、流れの経路の形態、地下水の井戸の水量の変更を引き起こすことによって、流域の水文学に影響を与えるだろう。地表での水の流れは、変えられてしまい、浸食や沈殿が増えるだろう。蒸発率に影響し、それゆえに『壁』周辺では、地下水量が減少するだろう。 『壁』の存在のために環境に対して、深刻で長期的な影響があるだろう。生息地が失われる結果として、その地域のミクロ的な生態系が影響をうけ、しばしば外来種である雑草や害虫,病原菌などが、かき乱された地域に侵入し成長するだろう。これらの種は、周辺の地域に拡大していき在来種に対する問題を引き起こすことで、結果として生態系の多様性を減少させてしまうだろう。『壁』は、動物の分布、移動パターンに影響を与える置き換え要因を創りだし、ばらばらになってしまう集団もあるだろう。植物・動物双方の住処がばらばらにされ、遺伝子的な多様性が減少するだろう。残された小さな集団は、種の希少化と関係するあらゆる問題に対してもろくなってしまう。その問題とは、近親交配や遺伝子頻度の遺伝的浮動による遺伝子の劣化や環境的カタストロフィなどである。 『壁』は小さな地域内の気候も変化させ、その地域の動物相、植物相に影響を与える。幾つかの種の移住パターンは妨害され、特定の鳥の種は、飛行パターンを妨害されたことによって、その地域を避けるようになるかもしれない。花粉の分散でさえ妨害されるだろう。『壁』の建設活動にともなって、地表での水の流れるパターンが妨害を受け、地表の水の量と質だけでなく地下水の水量にも影響を与えつづけるだろう。 『壁』の建設活動と長期的な『壁』自体の存在の結果として、そこに住む生物集団と地下水が影響を受けることになるだろう。地下水と地表を流れる水の質と量が悪化するだろう。在来の動・植物集団が減り、『壁』周辺地域から完全に姿を消してしまう種がでてくる可能性がある。 Section contributor : PHG
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